歌麿の生涯ー写楽を秘めてー

歌麿の生涯ー写楽を秘めてー

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商品情報

著者名 新関 公子
出版社名 展望社
ISBNコード 9784885463563
発売日/出版年度 2019年04月03日頃

商品説明

大河ドラマ『べらぼう』の主人公・蔦屋重三郎と歌麿はともに吉原生れの親友で、版元と絵師の関係でもあった。歌麿がいかにして絵師となり吉原という特殊な環境で成長していったのかを、作品の画風、技法、構図、題材の変遷をたどりながら考察する。
 江戸時代、歌麿が人気絶頂期に同じ版元蔦屋重三郎から颯爽と登場して消えていった謎の絵師が写楽だ。じつは、写楽は歌麿であるという説がある。そこには幕府の出版界への弾圧と出版界の抵抗という緊張関係がうかがえる。版元の蔦屋重三郎らと絵師である歌麿が写楽を生み出し、幕府の出版業界への弾圧を巧妙にかわしていたのだ。本書では、浮世絵や錦絵など386点の図版を掲載し、江戸の世相風俗を示しながら歌麿と写楽の関係を解き明かす。
 本書の目的は歌麿の評伝であるが、同時に歌麿は写楽でもあったということの証明にもある。

「歌麿が写楽だったとは!」
 大首絵、雲英摺り、襦袢の脇から両腕を出す奇抜なポーズ、上品な色調、視線の落とし方、確かに同一の作風だ。ところが唯一の同時代文献「浮世絵類考」は、歌麿と写楽を別人と記載している。筆者はこれを歌麿擁護のための捏造記載とみなす。この文献を制作したのは歌麿の親友たちなのである。
 写楽の役者絵は、返討ちに遭う不運な侍、不義密通をした娘の命乞いに切腹する親、主君の息子と偽って我が子の首を差し出す無情の親、など武士道の弱点ばかり。ご法度の心中ものさえ描いた。かくて写楽は幕府のお尋ね者に。写楽は不人気で消えたのではない。歌麿という正体が露見しそうで、危なくて続けられなかったのだ。本書の白眉は学者たちが金科玉条に信じている「浮世絵類考」のからくりを明かすところにある。

第一章 写楽出現の歴史的背景
第二章 完成した巨大肉筆画三幅対から推論する歌麿の生涯
第三章 歌麿の絵師修行のはじまり
第四章 歌麿が北川豊章と名乗った時代(推定一八〜二五歳頃)
第五章 歌麿と名乗り始めた頃ー遠近法や光と影の表現への熱中
第六章 美人大首絵の開始
第七章 写楽 第一期 寛政六年(一七九四)五月の作品
第八章 写楽 第二期 寛政六年(一七九四)七、八月の作品
第九章 写楽 第三期 寛政六年(一七九四)一一月、閏一一月の作品
第一〇章 写楽 第四期 寛政七年(一七九五)の作品
第一一章 写楽の幕を引く
第一二章 「浮世絵類考」執筆の経緯と写楽隠蔽の歴史的展開
第一三章 写楽の仮面をぬいでからその死までの歌麿
第一四章 南畝没後の「浮世絵類考」変遷の問題点と新たな歌麿像の提唱
あとがき
【資料編】
図版リスト(本編掲載の浮世絵や錦絵386点のサムネイルと解説)
歌麿と写楽 関連年表
参考文献

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